ふと見つけた母の俳句手帳から⑨

*昔日の夕陽は今も稲架曠野 
   茨城内原訓練所跡
*秋光の白浜寄せくる波頭
   紀州白浜
*山峡を駆けゆくそばの白き風 (H2/1)
*煤竹のみ賞めし医師や冬ざるる
*秋晴れやブランディチョコ口にあり
*凩(こがらし)の箱根路渺とわびしかり(H2/2)
*数へ日のなほざりなりし雑事かな
*粉砂糖ほどの初雪すっと消ゆる
*雲去る赤城嶺今日も吹雪けると (H2/3)
*平成の初空に舞ふ番い鳩
*飛翔する鳩初空の藍深し
*雪晴れのオリオンの星冷まじき (H2/4)
*早春の寝覚めジバゴのオルゴール
*尾長翔ち椿の紅のゆれ止まず
*伐採の雑木ゆらりと二月儘 (H2/5)
*麗日の一転荒ぶ魔女ごころ
*鳥雲に入る残留の子等いづこへ
*滑れぬもたのし衣装の春スキー(H2/6)
*花追いの旅男鹿(おが)湾の朝茜
*男鹿湾の春暁樹海の影深し
*外つ国へ喪の便り書く花の冷え
   ラファエル神父逝く (H2/7)