ふと見つけた母の俳句手帳から⑩

*風おちて空見上げたる鯉のぼり
*亡母とのりしメリーゴーランド五月来る
*アカシヤ咲く花房遠き日をとどめ (H2/8)
*樹の匂ひ風の匂ひや閑古鳥
*つるばらのアーチ今年もヨハネ祭
*枕木(マクラギ)の垣ひるがおにからまれて (H2/9)
   (桐生山中の歌)
*糸杉を揺るがせ雲へ夏嵐
*枕木(マクラギ)の垣昼顔のからみゆく
*沙羅の樹下白き木椅子の晩夏光 (H2/10)
   (桐生の庭)
*間のびして小さき欠伸や遠花火
*新涼の夜道五千歩弾みけり
*ひそやかに軍歌くちにす夜の秋 (H2/11)
*檸檬(レモン)てふ字の不思議さよ香気みつ
*流れゆく幾色の雲秋夕べ
*虫時雨はなれてひとつ鉦叩
*菩提樹の実のつぶらなる笠森寺
*苔青き崖水引の赤群れて (H3/1)
*ほつほつと鳩内またに冬めきぬ
*父母の忌を修す初冬のれんじ窓
*桐の枝はらいて日矢の冬めきぬ (H3/2)