~追憶:アホなことでも③~

この際だから
こんなことも記しておこう:

昔 パリで倒れた時のこと~

それは
極度の疲労によるものだったそうだ
(後のサンタンヌ病院での診断)

その直前まで
乗っていた飛行機の中で
隣に座っていた男性から
言い寄られていた:

 ”I like your chemistry.”

満席の機内で逃げ場がなく
パーサーからは仲の良い隣人に
見えたらしい

折を見ては通路に出て
ロザリオを唱えていた
眠ることなど不可能だった

いつしか 周囲の声は:
 あの人 血の汗を流している。。。
そんなふうに聞こえてきた

やっと到着したパリの空港
ぐるぐる回って出てきた
スーツケースを持って

ボランティアに抱えられるようにして
タクシーを見つけ 乗り込んだ
それから ほどなくして
気を失ったらしい

幾度か覚醒はするが
記憶が定かではない

覚えているのは
白と黄色のお花畑
そして 水平線から
顔を出した太陽の燦然たる輝き

あれは
なんだったのだろう?
(2025年12月16日夕)